Zonolog in マレーシア

マレーシア留学に関して、思ったこと、体験した事

日本の大学とマレーシアの大学の4つの違いについて

はじめに

みなさま、初めまして。現在マレーシアにあるテイラーズ大学(以下Taylor's Univeristy)でComputer Scienceを専攻している堂園昂平(Dozono Kohei)と申します。
数日前にSemester1 & Final Examが終了し、現在は夏休み真っ最中となっております。

つい半年前まで僕は北海道にある北見工業大学(同じくComputer Science)で勉強していました。
現在は交換留学ではなく、日本の大学で取得した単位を移行し、正規留学生としてTaylor's Universityで勉強をしています。(単位移行のプロセス、なぜマレーシアに来たのか等については、別の記事に書こうと思います。)

おそらく日本の大学(Computer Science)→ マレーシアの大学(Computer Science)の編入学経験は、今の所僕一人だけだと思うので、日本の大学とマレーシアの大学の違いについてご紹介できればと思います。

 

 

1. 授業について

まず、僕が在籍していた日本の大学(北見工業大学)とマレーシアの大学(Taylor's Univeristy)の授業のシステムの違いについてご紹介します。

  • 北見工業大学:基本授業は講義スタイル。プログラミングの授業はほとんどがPracticeタイプの授業。時間は基本90分で、プログラミングの授業や実験など、4時間ぶっ続け(3時限分)で行うこともたまにあり。

  • Taylor's Univeristy:Lecture(120分)、Tutorial(60分)、Practice(90分)が基本スタイル。一科目 = 1 Lectute + 1 Tutorial + 1 Practice という構成。(実際の僕の授業の例:Database System =1 Lectute(Morning on Monday) + 1 Tutorial(Wednesday) + 1 Practice(Afternoon on Monday))

両大学とも座学に関しては基本変わりないと思います。教授(or 講師)がスライドを使って説明をするという至ってスタンダードなタイプです。
僕の大学のTutorialとPracticeについてですが、

  • Tutotrial:Lectureのサポートクラス的な位置付け。Lectureで学んだことの復習(Reflection)みたいなイメージ。問題が配布されて、それを答えていくというスタイルが基本。(例:Question1. What is Database? → Answer. A collection of related data)
  • Practice:言葉の通り、実際に手を動かして問題を解くというスタイル。Practiceも同様に問題が配布されて、それを答えていくといったスタイルが基本。実際に今期のセメスターでは、JavaMySQLをPracticeクラスで使用しました。

Tutorialクラスは正直言って時間のムダだと感じました。問題点は以下です。

  1. Lectureクラスの講師とTutorialクラスの講師が違うため、要点がズレる。
  2. Lectureクラスの講師(教授)が裁量権あり。Tutorialクラスはサブ的な位置付け。
  3. Tutorialクラスの講師が基本PhDコースに在籍している生徒
  4. Tutorialクラスの講師によっては、何も教えてくれないといったこともあります。(実際に僕のTutorialの講師がそうでした)

ただ、僕は大学での勉学は自分で勉強し、自分で理解するといった能動的な学習スタイルが基本だと思っていて、高校のような受け身の勉強をする場所ではないと考えています。あと教授は教えるプロではないので、授業のTeachingの質だけ見ると日本とマレーシア、そんなに変わらないのかなあと感じました。

コンテンツの難易度についてですが、間違いなく北見工業大学の方が難易度が高いと思いました。特に数学に関しては、大学レベルの微分積分線形代数解析学等を日本では勉強しましたが、Taylor's Universityではそういった比較的難易度の高い授業はなさそうです。
加えて、Taylor's Universityのユニークな点も紹介できればと思います。

  • Taylor's Universityはグループ課題が大好きです。ほぼ全ての授業でグループ課題があり。
  • Lifeskill classという授業(必修)があり、リーダーシップ、コミュニケーション等社会に出て必要なスキルを学びます。
  • Workshopを企画、開催するという授業があります。(実際に大学生以外の参加者を集めます)今回僕はサイバーセキュリティのWorkshopを授業を通じて運営しました。

どちらかというと、Taylor's Universityは学問を極めるというよりかは、より社会人としてのスキルを向上させるということにフォーカスしているのかなあと個人的に感じました。

総合的な授業の質についてですが、次のトピックスと絡めてご紹介できればと思います。

2. 教授の数

在籍している教授の数は結構大事だと思っていて、1教授に対する生徒の数が少なければ少ないほどサポートも行き届くし、魅力のある研究等に出会えるのではと考えています。

結論から申し上げると、教授の数は 日本>マレーシア です。
「ざっくりとこれくらいやろ!」ではなく、しっかりと裏付け理由を述べたかったので、実際に調べて計算しました。(下記共に僕が在籍していた/している学科です。)

  • 北見工業大学 「情報システム工学科」
    情報システム工学科に在籍している教授/准教授の数:17人
    情報システム工学科に在籍している生徒の数(1~4年次):約480人
    1教授に対する生徒の割合:28人

  • Taylor's Universiry 「School of Computing & IT」(日本でいうところの"学科")
    (上記の学科は4つのコースを持っています(1 Diploma course(1年制)、3 Bachelor cources(3年制))Link:https://university.taylors.edu.my/computing-it.html#why-computing-it-at-taylors)
    School of Compuringに在籍している教授/准教授の数:12人
    School of Compuringに在籍している生徒の数(1~3年次):約626人
    1教授に対する生徒の割合:52人

Taylor's Univeirsity(僕の学科)の1教授に対する生徒の割合は、以前在籍していた北見工業大学約2倍という結果になりました。

確かに、肌感的にも教授少ないなあとこのSemester中感じていたので、予想的中といった具合です。

やはり教授の数が少ないと、必然的に授業の全体的な質も下がるのかなと個人的に感じます。北見工業大学のプログラミングの授業は1人の教授と4人のチューター(多分その教授の研究室のMasterの生徒 and 助教)でしたが、Taylor's Univerisityでは1人の教授だけでした。

加えて、僕の学科はTaylor's Universityの中でも比較的生徒の数が少なめです。したがって、他の学科(ビジネス、ツーリズムなどメジャーな学科)はこの比率がもっと悪そうな気がします。実際に僕の友達(ビジネス専攻)はかなり広い講義ホールで講義を受けていると言っていました。

あと、「どこの研究室orゼミ行く?」などの話は全く聞きません。多分これは大学のシステムも違いかもしれませんが、北見工大では、学部3年から研究室に所属し、4年から研究開始といったスタイルでした。しかし、Taylor's Universityでは研究室/ゼミ等には所属せず、Projectという形で最終発表があるそうです。
そもそも、Taylor's Universityに研究室があるのかどうかも定かでない状態です。(Universityだから絶対あるはず...)

3. 忙しさ

これは間違いなく マレーシア>日本 です。課題のボリュームが全然違います。それに中間テストもあります。北見工業大学でも授業によっては定期的にテストがありましたが、Taylor's Universityではグループ課題と並行してテストもやってくるといったダブルパンチをくらいます。なので、基本生徒はアルバイト等はせず、かなりの時間を勉強に費やしています。

 

4. 設備について

これは間違いなく 日本>マレーシア です。Taylor's Univeristyに配備されているパソコンのスペックはかなり低いです。プロジェクターのホワイトペーパーは汚れている教室等もあります。さらに学内のWi-Fiが遅い&時々使えないということもあります(笑)

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大学のパソコン室です。

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多分スペックは低いと思います。

加えて、Taylor's Universityが抱えている生徒(5835人)、学部の数(15学部)に対して、キャンパスは小さいかなと感じます。

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Taylor's universityのキャンパスです


一方北見工業大学は多分ハイスペックなパソコン(全てのパソコンが大きいパソコン?(サーバー?)に繋がっていて、申し分のないスペックかなと思います。)、十分な研究設備(これは研究室のパワーによりけりですが)もあります。中には寒冷地の研究のための環境設備や、スキーヤーの測定機器などユニークな設備もあります。あと、学内に情報処理センターがあり、Wi-Fiは爆速でした。
しかし、必修授業で使う実験器具(電子回路機器、ライントレース用の実験器具、物理学実験の器具等)はかなり古いものもありました。

さいごに
少しマレーシアの大学をディスる内容になりましたが、僕が感じたこと、体験したことをそのままご紹介しました。たまに「マレーシア留学すごくいいんだよ!魅力がたくさん!」等の記事を見かけますが、はっきり言ってそんなことは無いです。勉強の質のみを求めるのであれば、日本の大学に行く方が良いかなと僕は思います。(ただ僕の大学は国立だったので、私立大学の理系コースがどんな感じなのかはわかりません...)

僕はマレーシア留学を後悔しているわけではなくて、上記の点意外に魅力を感じた部分があり、マレーシア留学を決意しました。(このことについても後ほどブログにできればと思います。)今回のブログを通して、実際に行って体験してみないとわからないことがたくさんあるんだなあとつくづく感じました。

このブログが、マレーシア留学を考えている方の少しの手助けになれば幸いです。

それでは